■□ 王道通信 □■ Vol.51
目次
1...専業大家の独り言 〜 人の流れ
2...借地入門(8) 〜 借地と税金
3...編集後記
1...専業大家の独り言・白岩貢
◇人の流れ
アパート専業大家・白岩貢
- アパートを始め居住系の不動産投資を大きく左右するのが「人の流れ」です。
いくら目先の利回りがよくても、「人の流れ」が減っている地域ではこの先、厳しい状況が待っているでしょう。
先日、総務省が2007年の人口移動報告を発表しました。
これは、住民基本台帳に基づいて、都道府県別に人口の移動を調べたものです。
平成19年の1年間で、日本人の市区町村間の移動は約550万人。
前年より6万5000人ほど減って、4年連続の減少でした。
また、都道府県間の移動は258万人。
前年より1万5000人ほど減って、12年連続の減少でした。
注目すべきは、都道府県別の転入・転出の差し引きで、東京都が9万4500人と最も多く、次いで神奈川県(3万2474人)、愛知県(2万520人)、千葉県(1万9632人)などとなっています。
3大都市圏でみても、東京圏は15万5150人の転入超過で、これはバブル期の昭和62年以来20年ぶりの15万人超えです。
一方、転出超過は、北海道が2万267人と最も多く、次いで青森県(1万274人)、長崎県(1万64人)などとなっており、
40道府県で転出超過。毎年1万人以上も人が減ると、地元の経済への影響も大きいでしょう。
17ある政令指定都市を見ても、仙台、静岡、京都、北九州はすでに転出超過で、さらに札幌、仙台、神戸、福岡では減少が始まっています。
こうしたトレンドをふまえ、地方から首都圏への一部資産の移動は、重要な視点だと私はかねがね思っています。
皆さんはどう考えます?
借地入門(8) 〜 借地と税金
- 今回と次回は、借地の税金について整理してみます。
固定資産税と都市計画税ですが、これは地主が支払います。
借地権者は通常、地代を払うだけで関係ありません。
ただし、固定資産税評価額は地代の見直しや売買時の承諾料などの基礎資料となります。
これまで、個別の土地の固定資産税評価額は、その土地の所有者しか知ることができませんでしたが、平成15年4月1日からは、借地人も、それぞれの市区町村で、固定資産課税台帳の記載事項を閲覧できるようになりました。
一度、調べておくとよいでしょう。
相続税や贈与税は、借地人にも大きな関係があります。
借地権も財産の一種として、相続税や贈与税がかかるのです。
こちらは話がちょっと複雑です。
まず、借地ではなく更地の状態であると想定した土地そのものの評価額が問題です。
宅地については通常、それぞれに付けられた路線価(相続税路線価)を基本にします。
路線価というのは、道路(路線)ごとに国税局長が毎年調べて決めた土地の単価=1平方メートルあたりの価格のことです。
その道路に面している土地については、路線価に面積を掛け合わせて算出します。
土地の形状や道路付けによっても、多少調整が行なわれます。
路線価は主に市街地の土地について付けられていて、税務署へ行くと路線価図が置いてありますし、いまはインターネットで調べることもできます。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/rosenka/rosenka.htm
郊外地や農村部については、路線価をつけるのが大変なので、固定資産税に一定の倍率を掛ける方式(倍率方式)がとられます。
こうして土地(更地状態)の相続税評価額が分かったら、次に借地権割合を掛けます。
借地権割合は、借地の事情が似ている地域ごとに分けて定められており、路線価図や評価倍率表で表示されます。
具体的には、90%から30%まで10%刻みで、7区分あり、路線価図の路線ごとにA、B、C、D・・・Gの記号で表示してあります。
場所にもよりますが、商業地では8〜9割、住宅地では6〜7割程度の場合が多いといわれます。
編集後記
- 中国製のギョーザがすごいことになっています。
夕刊紙の見出しには「殺人ギョーザ」とか出ていて、ギョッとしました。
うちもご他聞にもれず、おかずにはしょっちゅうギョーザ、それも冷凍のものを使っているので(一応生協ですがそれも怪しい)、中毒とまではいかないまでも、農薬をかなり“摂取”していているんだろうなと思いました。
昨年から続く表示偽装事件といい、食べ物の安全には敏感にならざるをえません。
かといって、いまさら自給自足なんてできないし、難しいですね。(古井)