■□ 王道通信 □■ Vol.41
目次
1...専業大家の独り言 〜 ワンルーム規制
2...不動産投資入門 〜 ローン金利の行方
3...編集後記
1...専業大家の独り言・白岩貢
◇ワンルーム規制
アパート専業大家・白岩貢
- 先日、世田谷区内のすごくいい立地で、土地が売りに出ました。
さすがに単価が高いですし、容積率もあるので、ワンルームマンション(もちろん王道流ですが)を企画すれば面白いのではと思い、宮下さんに聴いてみました。
しかし、賃貸市場の状況はどんどん変わっているようです。
宮下さんによると、別の最寄り駅ですが、駅からわずか2分のところにある18平米のワンルームに空きが出たものの、3ヶ月ほど決まらなかったというのです。
どうも、部屋の狭さや水まわりの3点セットが敬遠されているようです。
そういえば最近、自治体によるワンルームの規制強化が各地で進んでいます。
世田谷区ではすでに数年前からワンルームは25平米以上ないと新築はだめ、となっていますが、他のエリアでも同じような規制が強まっているのです。
たとえば、江東区は来年から、ワンルームマンションについては、1部屋あたりの最低居住面積を20m2から25m2に引き上げる条例改正をしたそうです。
いままで、利回り重視で20平米を切るようなワンルームをつくってきた大家さんはどうなるのでしょうね。
当面はそのほうが利回りがよいとしても、世の中全体で部屋の広さが広く、設備も進歩していく中、結局は賃料を下げての消耗戦に突入していくのは目に見えているように思います。
いくら古くなっても、最後は広さが確保されていれば、なんとかなると思います。
なお、冒頭にふれた土地ですが、結局、賃貸住宅用としてはちょっと難しく、事務所用とするか、自宅用だろうということで見送ることになりました。
2...不動産投資入門 〜 ローン金利の行方
- 最近、アメリカのサブプライムローン問題の広がりから、長期金利が低下してきています。
それに連動して、住宅ローンやアパートローンの金利も低下。
借りるほうにとっては一安心というところでしょうか。
金利については、昨年あたりからしばしば、日銀が引き上げの意向を持っていると伝えられてきました。
背景には、戦後最長となる景気拡大のほか、バブル崩壊以降、10数年にわたって続けてきた超低金利をある程度「普通」の金利水準に戻すことで、金融政策についての選択肢を増やしたいという考えがあるといわれます。
しかし、今回のサブプライムローン問題で、その時期はまた先送りされた感じです。
ただ、一方では原油がものすごく値上がりしており、ガソリン価格をはじめ、いろいろなところで物価にはねかえってきています。
物価が上昇すれば、金利にも影響を及ぼしかねません。
金利動向というのは予想がつきにくく、「これまでこうだったら、今後もたぶんこう」という発想は危険です。
専門家の予想もほとんど当てになりません。金利が上がる気配が出ては後退するという繰り返しがずっと続いており、大きく変動する確率は高まってきているとみるのがいいのではないでしょうか。
不動産投資においても、金利動向にはより慎重なスタンスをとることが大事だろうと思われます。
すでに借りている人の場合、固定金利であれば問題ありませんが、変動金利で借りている人は、ローン残高の減り具合と、金利の上昇が収支に及ぼす影響を試算しておくとよいでしょう。
フルローンが典型ですが、物件価格に対するローンの比率(LTV=Loan to Value)が高いと、急に金利が上がった場合、賃料収入より利息の額が上回ることもありえます。
これからアパートローンの借り入れを考える人は、収支計算の検討にあたって、金利の変動リスクをより慎重に織り込むことです。
たとえば、5年後、10年後に金利がアップしたシナリオを何通りがつくり、シミュレーションしてみましょう。
パソコンの表計算を使えば、簡単にできます。
それとともに、物件価格に対するローンの比率(LTV)についても、何通りかシミュレーションしてみましょう。
もちろん、全額自己資金でまかなえば金利変動のリスクはシャットアウトできますが、他方いわゆる「レバレッジ効果」(※)は期待できません。
資金効率を取るか、リスク回避をとるか、そのバランスのとり方はよく検討してください。
※物件の想定利回りより低い金利でローンを借りることで、自己資金に対するリターンをアップさせること。
編集後記
- 大リーグでイチローがなぜあんなに活躍できるのか、面白い話を聞きました。
もちろん、生まれ持っての才能と、日頃の練習はいうまでもないのですが、そこにもうひとつ、ストレスのコントロール術が関係しているというのです。
試合前、イチローはものすごく早く自宅を出て、あちこちぶらぶらしながら、余裕をもって球場に入ります。
時間に追われるとストレスを感じるからです。
また、全米各地を転戦しますが、それぞれの町に行きつけのレストランがあり、いつも同じくらいの時間に行って、同じメニューを頼みます。
自分の行動のうち可能なところはどんどん習慣化して余計な神経は使わず、試合に集中するわけです。
また、成績についても、自分でコントロールできない打率にはこだわらず(4ボールなどがあるから)、安打数に焦点を当てるのだそうです。
マスコミ報道など自分ではどうしようもないので、ほとんど無視とか。
なるほど、いつもなんだか時間に追われて、なかなかパフォーマンスが上がらない理由が分かったような気がしました。
まずは、打ち合わせに早く出かけて、あちこちぶらぶらしてみますか・・・ (古井)