■□ 王道通信 □■ Vol.39
目次
1...専業大家の独り言 〜 住宅設備のトレンド
2...不動産投資入門 〜 住宅着工数の落ち込み
3...編集後記
1...専業大家の独り言・白岩貢
◇住宅設備のトレンド
アパート専業大家・白岩貢
- 10月の勉強会では、「王道チーム」設備担当の荒井さんが登場。
アパートの設備機器について、基本から最近のトレンドまで、詳しく話してくれました。
現在、建築会社はどこも、製品のコストより時間のコストを最優先。
建築工事のプロセスでどこかでひとつでも問題が起きると、関係する業者に負担が掛かり、現場の工期が遅れてコストダウンが見込めません。
資材のコストダウンで先行しているパワービルダーでも限界に来ており、バランスの良い工程と配送コスト、人件費などを抑える努力が大事になっているとのことでした。
また、水周りについての調査データは、大変興味深いものでした。
たとえば、「住宅で重視する空間」は、
- リビング
- キッチン
- バスルーム
- ダイニング
- トイレ
- ベッドルーム
- 書斎
- 玄関
- 洗面
キッチン、バスルーム、トイレが上位5位に入っているのが目をひきます。
また、「してみたいキッチンのレイアウト」としては、
- 対面型41%
- フラットな対面カウンター28%
- L型25%
- 壁側に付いたI型5
※以上「住宅設備と生活意識に関する意識調査2005・2006」
さらに、「バスルームに不満を持っている」人が53%もおり、「満足していない理由」では、
- 浴槽が小さい
- 浴室全体が狭い
- 寒い
- カビが発生しやすい
- 窓がない
- 洗い場がない
- 暗い
※以上「大阪ガス意識調査」20〜39歳
荒井さんによると、ここ数年、住宅設備機器は著しく進化しています。
10年前の各メーカーのショールームは、ただ、これみよがしに高額の商品を前面に置き、施主の購買意欲をくすぐっていましたが、現在のショールームは商品よりも空間を見せて施主がイメージできるような設置をしています。
また、開発にあたっては、トレンドとエンドユーザーの声を調べ、コストと見合わせながら商品化しているそうです。
ただし、水周りは機能・デザインも大事ですが、長年使うものですから、アフターメンテナンス体制がしっかりしているメーカーがお勧めだそうです。
大家にとって、競争力のあるアパートをつくるヒントがいっぱいのお話、ありがとうございました。
2...不動産投資入門 〜 住宅着工数の落ち込み
- 6月に建築基準法が改正され、耐震偽装の再発防止のため建築確認審査が厳しくなりましたが、その影響はますます拡大して、
大変なことになっているようです。
国土交通省が10月31日に発表した9月の「建築着工統計調査報告」によると、建築基準法の改正にともなう混乱で、9月の新設住宅着工戸数は6万3018戸となり、前年同月比で44%も減りました。
これで7月23.4%減、8月43.3%減に引き続き、3ヶ月連続での大幅減少となりました。
住宅の種類別では、持ち家が21.6%減、貸家が51.6%減、分譲住宅が55.6%減(分譲マンションは74.8%減)で、規模の大きな建物ほど影響を受けているようです。
この結果、景気にも影響が出るのではないかといった声があります。
先日は、審査が厳しくなる前に建築確認を通そうとして、分譲マンションで耐震偽装を行なった建築士まで出てきて、「なんだかなあ」という感じです。
無理やり建築基準法を改正した国土交通省も、こんなことになるとは思っていなかったでしょう。
担当者はみんな肝を冷やしているのではないでしょうか。
自分たちの責任逃れのため(と思われても仕方ないような形で)、法律や制度をいじるとどんなことになるのか、いい見本になったと思います。
大家としても、アパートや賃貸マンションを建てる際には、こうした状況をよく見ておかないと、スケジュールが大幅に狂うことになりかねません。
注意が必要です。
編集後記
- 先日、田舎で親戚の葬儀があり、お通夜だけ顔を出してきました。
会場は専門のホールで椅子に座ってお経を聞くので、とても楽。
昔は自宅やお寺の畳に座って、足がすごくしびれて大変だったのをふと思い出しました。
また、列席者は高齢の方が多く、子供はほんのわずか。
少子高齢化は地方のほうがはるかに進んでおり、アパートなど賃貸住宅市場も、地方から厳しくなっていくのは無理ないなと感じました。(古井)