■□ 王道通信 □■ Vol.22
目次
1...専業大家の独り言 〜 大家のシャングリラ
2...「王道チーム」リレーエッセイ 〜 荒井洋介
3...不動産投資入門 〜 地盤の基本(1)
4...編集後記
1...専業大家の独り言・白岩貢
◇大家のシャングリラ
アパート専業大家・白岩貢
- シャングリラ(Shangri-la)、ってどこかの中華料理店ではありません。
「桃源郷」のことです。
もともとは、イギリス人の作家が70年以上前に出版した小説に出てくる町の名前が由来とか。
実は私も先日、某地方都市に行って、「大家のシャングリラ」を発見しました(というか、いままで何度かブログで書いてますけど…)。
その町では、某大手メーカーがなんと600億円(経済産業省資料)を投じて新工場を建設し、来年稼動予定です。
当然、関連企業も進出するでしょうし、工場の従業員や関係者などものすごい数の賃貸住宅の需要が生まれます。
ところが、その町はなぜかヨソ者を簡単には信用しない習慣があり、大手ハウスメーカーや賃貸専業メーカーもほとんど入り込めていません。
そのため、アパートやマンションは不足気味。
そんなところに、他とはちょっと違う、シンプルだけどおしゃれで、住み心地の良いアパートがあったとしたらどうでしょう?
おそらく向こう何十年も、決して空室が出ない安定経営ができると思いませんか。
それも、基本的に法人契約で、トラブルフリー。
田舎なので土地はまだまだ安いですし、投資効率はいうまでもありません。
探せばまだまだあるものですね。
2...「王道チーム」リレーエッセイ 〜 荒井洋介
- 初めまして、建築資材担当の荒井です。
以前はトステム(株)世田谷営業所で営業をしておりまして、白岩(貢)さんとは、先代の白岩社長に大変お世話になり、また大工職人の菅さんには現場の何たるかを学ばせて頂きました。
トステムさんを退社して今年で10年目になりますが、去年の暮れに菅さんより相談を頂きまして、私で皆さんのお役に立つなら、微力ながらお手伝いさせて頂きたく王道チームの一員に加わりました。
さて、去年の春頃から、各資材の値上げが始まりました。
私がトステムに入社した頃はアルミの地金が1トンあたり20万円前後でしたが、現在は35万円前後で各アルミサッシメーカーも値上げせざるを得ない状況になり、また木材に至っては合板の価格などは立米あたり700ドルを越え床材、室内ドア、構造合板、プレカットと値上げが著しく、さらに鉄、銅、樹脂などほぼすべての価格が上がり、建築コストを圧迫している状況です。
そんな中、アパートを建てる方にとって気になるのは、コストアップの影響をどうやって最小限に食い止めるか、ということでしょう。
私の見るところ、第1に、各資材メーカーさんの協力あってのことですが、大量仕入れを前提に、配送コストを考え、末端のラインでの施工体制をきちんと構築することが大事です。
製品そのものの価格を抑えることは難しいですから、ポイントはそこにあります。
第2に時間のコストをいかに削減するか、です。現場の工期が遅くなるほど、建築コストを圧迫し、採算の低下につながります。
まさに「時は金なり」です。
メインの対応策はこの2つですが、それには建築会社、下職、建材メーカーの三位一体となった協力体制が不可欠です。
さらに、王道チームの皆さんと一緒に考えながら、この厳しい状況を乗り越え、オーナー様、住まれる方双方が満足して頂けるアパートづくりのお手伝いができればと思っております。 - 今後ともぜひ、宜しくお願い申し上げます。
今回は、建築資材全般を担当してもらっている荒井さんです。
0型アパートなどの充実した水まわり設備は、荒井さんの力ではじめて実現したものです。
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3...不動産投資入門 〜 地盤の基本(1)
- 不動産投資を行うにあたって、「不動産」の知識と同じように「建築」についての知識が欠かせません。
しかし、不動産投資の入門書、解説書では、「不動産」に関する説明は豊富ですが、どうも「建築」については手薄なような気がします。
たとえば、地震との関係で非常に重要なのが、地盤調査です。
王道では必ず地盤調査を行いますが、中には「このあたりは地盤がいいから大丈夫」とかいって、行わない業者もあるので注意してください。
地盤調査の目的は、「地盤」の強さを調べることです。
地盤というと、どんなイメージがあるでしょうか。
地表よりは何メートルか下のところまで、かといって何百メートルも地中というわけではありません。
建築の世界では通常、地表から数メートルから数十メートル程度のところを指します。
特に大事なことは、そこに立つ「建物」との関係で、検討すべき「地盤」の深さや固さが変わってくること。
たとえば、重量が軽い木造平屋を建てる場合と、超高層マンションを建てる場合では、調べるべき「地盤」がかなり違うのです。
一戸建てのような軽い建物なら、地表の浅いところが「地盤」になります。
目安は平米当り5トンの重量を支えられる固さ(地耐力)。
地面を少し掘り、砕石を敷き固めた上に鉄筋コンクリートの布基礎を造れば、基本的に大丈夫です。
なお、それより軟らかい場合は、ベタ基礎にしたり地盤改良したりすることで対応します。
一方、鉄筋コンクリートのマンションなど重い建物では、地盤はもっと深くなります。
こういう重い建物では、ボーリング調査による数値(N値)が50以上ある地層を「支持地盤」とし、そこまで基礎が届いているようにします。
高台など地盤がしっかりしているところでは、ほんの数メートル掘っただけでN値50の地盤があることもあれば、湾岸エリアや河川敷などでは、かなり深く掘らないとN値50の地盤に達しないこともあり、その場合は、杭を打ち込みます。
首都圏の湾岸エリアの超高層マンションでは、杭の長さが30メートル〜40メートルになることもあり、万が一の大地震では、地盤の液状化とともに、基礎杭の損傷が懸念されます。
また、同じように平らに見える宅地でも、場所によって地盤の状態は大きく異なります。
そのため、きちんと配慮しないまま建物を建てると、不揃いに沈下するいわゆる「不同沈下」が起こります。
「不同沈下」が起こると、ドアや扉の立て付けが悪くなり、基礎のコンクリートや壁のクロスにひびが入ったりし、建物の構造に影響を及ぼすので、ちょっとした地震で大きな被害を受けたりします。
そうした目に会わないよう、予めその土地の地盤の状態を知り、建てる建物に応じて対策を立てることが非常に大切なのです。
編集後記
- 1ヶ月ほど前から右肩が痛くて上がらず(四十肩)、先日は歯が悪くなったり、なんだか体調が良くないと気持ちが暗くなりますね。
こんなときは、おいしいものを食べて、子供と遊んで、気の合う仲間とワイワイガヤガヤ。
いつも思うのですが、気持ちのコントロールって本当に大事ですね。
皆さん、良い週末を!(古井)