■□ 王道通信 □■ Vol.18
目次
1...専業大家の独り言 〜 コストバランス
2...「王道チーム」リレーエッセイ 〜 小櫻友康
3...勉強会の会員さんより
4...編集後記
1...専業大家の独り言・白岩貢
◇コストバランス
アパート専業大家・白岩貢
- 最近、コストバランスについて考えさせられるケースにいくつか出会いました。
そのひとつは、ネズミの被害に関するものです。
アパートを経営しているある大家さんが、入居者からネズミの被害で損害賠償を求められたそうです。
なんでも、ネズミが屋根裏に住み着いたようなので駆除を依頼まれ、いろいろ業者を探して相場の半分くらいでやってくれるところに頼んだのですが、結局被害は収まらず、なんと賃料の値下げを要求されただけでなく、さらには引越し代などまで請求されているのだそうです。
まともに全部受け入れる必要はないと思いますが、クレームがあった最初の段階で、もしコストがかかっても、きちんとネズミを駆除していたら、それほどもめなかったのではないかと思います。
もちろん、投資として事業を行っている以上、コストを気にするのは当然ですが、それとクォリティ(質)のバランスをどうとるかは、難しく微妙な問題です。
コストをかければ質が伴うとは必ずしもいえず、かといってコストを値切りすぎると質に問題が起こりやすく。
難しいところですね。
2...「王道チーム」リレーエッセイ 〜 小櫻友康
- おかげさまで、約一年間アイデアを練り上げたビルトインガレージ付き戸建て住宅がついに完成しました。
多くの方々に建物をご覧頂き、最も印象的だったのが、見る人によって全く違う住まい方をイメージして頂けたという事です。
吹き抜けにはブランコ、ガレージはバーベキュー会場や子供の遊び場に、なかにはガレージに車なんて置かないでここで店をやりたい!
というご意見もありました。
この住宅を見た人が10人いれば10通りのライフスタイルがある・・・これは、お仕着せではない、住み手の想像力をかきたてる住宅を作ろうとしていた私たちにとっては、非常に嬉しい反響でした。
厳しい条件(特にコスト)の中で苦労して創り上げた建物ですが、概ね好意的なご意見が多く、設計者としてはとりあえず胸を撫で下ろしているところです。
今回のビルトイン戸建てプロジェクトを通して、やはり建物は「企画・コンセプト」が重要だなと改めて感じました。
コンセプトが明快であれば、余計な事が気にならず、単純な形態、安価な素材(今回はタイルすら使ってません)など、ローコストのために行った事まで、逆に評価されるという結果につながるのです。
少ない投資で最大の効果を狙う投資物件にとってこれはとても重要な事です。
このところラフプランの依頼が殺到しており、設計者としては嬉しい悲鳴ではありますが、やはり気になるのは、相変わらず依頼者からのお言葉が数字に終始している点で、「何戸建つ?」「何m2?」「いくらで建つ?」「家賃いくらとれる?」
カチャカチャ・・・(←電卓を叩く音)
「おおっ!」(←利回りに驚いている声)と、こんなやりとりが日常茶飯事です。
依頼者の皆様は投資家ですから、数字を追いかけるのは当然の事ですが、多種多様なアパートや戸建て住宅が乱立する昨今、数字だけでは競争力のある物件は実現しないでしょう。
「何戸建つ?」と同時に、「入居者のターゲットは?」「生活イメージは?」 「そのためにはどんな建物にすべき?」といった企画・コンセプトも充分検討する事、それこそが最強の投資物件への近道だと思います。
最強の投資物件は最強の企画から。
現在、新しい企画によるプロジェクトも続々進行中です。
どうぞご期待ください。
今回は、設計チームの小櫻さんです。
最近、完成したガレージハウスについてコメントをお願いしました。
********************************************************************
3...勉強会の会員さんより
- 今日は、私が土地を買うときに思ったことについてです。
「土地を探しているとき」と「土地が見つかったとき」では、気持ちが大きく変わりました。
前者は先行きが不透明ですが気楽に動くことができます。
後者はとにかく時間との勝負です。
土地を探すのに苦労をした人ほど、不動産投資に見合う土地がとても少ないことを実感しているはずです。
それだけに条件を満たした土地は、多くの投資家が同時に注目しています。
素早く決断した人が購入の権利を得られますね。
特にクループで探しその権利を得た方は諦める判断が遅れた場合、他の方に流した時には土地が既に買われてしまっているとのことがありますからね。
しかし、即決よりも大事なことは、収支やローン返済を含めた今後20〜30年間のプランだと思います。
契約後に「他の土地が良い」と契約を解除することは難しいですからね。
契約後はオーナーとしての大きな責任と社会貢献できる喜びがありますからね。
それでも良い決断をしたときは、
(1)買付けの意思を示し交渉の権利を獲得
(2)業者を通じ売主との交渉
(3)売買契約、という流れになります。
このとき、売主から2、3日で決断して欲しいと迫られることもあります。
また、投資物件が建てられること(瑕疵が無い)、ローン条項を付けることは必須です。
収支については書籍等で説明されているとおりで、地代+売買手数料+設計費+建築費+諸経費等があり、予想より多くゆとりを持
った資金計画が必要です。
(1つの投資だけに全ての持ち金を使うことはいけませんね。)
人それぞれ大事なことは違うでしょうから、日々の情報収集と準備が必要ですね。
編集後記
- 今週の水曜と木曜、アメリカ人2人をアテンドして、岡山、名古屋を回りました。
フロリダ州に本社がある機械部品メーカーの社長と技術担当者で、日本国内の製品在庫をチェックするために来日したものです。
フロリダ州経済開発局(Enterprise Florida Inc.)の日本事務所で広報などを手伝っている関係から、私も駆り出された次第。
ところが、久しぶりの英会話でしどろもどろ。
もう一度、ブラッシュアップしたくなりました。
小さな挑戦をまたしてみるつもりです。(古井)