■□ 王道通信 □■ Vol.3
- 1月の勉強会は、野嶋弁護士の講演で60名以上が参加されました。
2月は保険(火災保険、地震保険など)についての予定です。
目次
1...専業大家の独り言 〜 まだまだある危ない話
2...「王道チーム」リレーエッセイ 第3回 小櫻友康
3...不動産投資入門(3)〜 投資判断で何を重視するか?
4...編集後記
1...専業大家の独り言・白岩貢
◇まだまだある危ない話
アパート専業大家・白岩貢
- いまだに、不動産投資、アパート投資を巡って、信じられないようなケースに出会うことがあります。
最近もそうした経験をしました。
1つは、埼玉県内の駅から徒歩5分くらいのアパートを持っている方の話です。
相続でアパート経営に携わるようになったのですが、不動産や建築は素人。
場所はいいのに半分くらい空室でした。
これはそもそも、客付けを依頼していた不動産屋が全然動いていなかったのです。
それを知らず、何かしないといけないと思い、リフォームしようと考えたそうです。
そこで、知人のリフォーム業者に頼み、1部屋工事が完成したそうなので見せてもらいました。
トイレと洗面台を交換し、壁クロスを張替えて150万円。
しかし、商品は安物。壁クロスは一部だけ張替えたので、他との差がはっきりわかります。
さらにびっくりしたのは、外壁に妙なオブジェを取り付けようとしていたこと。
「なんだか外観が寂しい」とふともらしたら、リフォーム業者が何も考えず「じゃ、知り合いの芸術家の卵にオブジェをつくってもらいましょう」といったらしいのです。
そんなところにお金をかけても何の役にも立ちません。
不動産投資、アパート経営のイロハがわかっていない業者だったのです。
「そんな無駄なこと、やめなさい」とアドバイスしました。
もう1つは、都内に何カ所か貸家や空き地を所有している方の話です。
亡くなったお父さんの知り合いという地方在住のコンサルタントと名乗る人間に、賃貸住宅の建設などを相談しているとのことでした。
そのコンサルタントと一緒に王道プラザに来て話を聞いたら、これがすごいのです。
コンサルタントといいながら、不動産や建築についてはロクに知りません。
所有するひとつのアパートが古くなったので建て替えを計画。
その自称コンサルは、自分が解約通知書を出せばすぐにでも追い出せるような口ぶりでした。
先日の「オンリーワン勉強会」で野嶋弁護士も解説してくれていましたが、借家人に出て行ってもらうには「正当事由」が必要で、交渉はなかなか大変。
怪しげな業者、コンサルタントはまだまだたくさんいるなあ、と福永君と呆れてしまいました。
これら二つのケースから学べるのは、いろいろな情報を集める大切さではないでしょうか。
医療の世界で最近、よく言われるセカンドオピニオン(診断や治療法について、主治医とは別の医師の意見を求めること)ではありませんが、いろいろ複数の人に相談してみるだけで、かなり失敗は防げると思います。
でも、最後に判断するのは自分自身。
日頃から情報収集を怠らないこと。
また、無闇に特定の人物のいうことを信じすぎないこと。私(白岩)のいうこともそうです。
無闇に私を信じてはいけません(笑)。
2...「王道チーム」リレーエッセイ 第3回
- 大学卒業後、建築家:北川原温氏のもとで長年修行を重ね独立、東京・渋谷にささやかな事務所を構え、日々設計活動に追われる毎日です。
「施主・施工者を始めとする、建築関係者との対話を重視した設計」をモットーに、ジャンルを問わず幅広い設計活動を展開させて頂いております。
また、設計の仕事の傍らで都内某専門学校の非常勤講師として将来の設計士の育成にも携わっております。
王道チームでは、主に郊外型物件を担当させて頂いており、白岩さんのブログでもおなじみの某地方都市の王道型戸建て住宅(4棟)、開発行為による戸建て賃貸住宅など多数が進行中です。
白岩さんに初めてお会いしたのは昨年4月です。
きっかけは私の高校時代の同級生で、勉強会のメンバーでもある、友人Kさんの紹介でした。
初めて白岩さんにお会いした時は、とにかくそのパワーに圧倒されましたが、色々話をさせて頂いているうちに、意気投合。
2〜3日後にでも早速打合せを・・・となりました。
あまりに急で私はただ呆気にとられるだけでしたが、その初打ち合わせで敷地図をドッサリ渡され、ニコニコしながら「どれからいきます?」と僕に語りかける白岩さんの笑顔が今でも忘れられません。
今思えば友人Kさんがいなかったら白岩さんとの出会いも無かったわけですが、実はそのKさんとの再会も偶然で、高校卒業以来会った事も無かったのに、都内某所の横断歩道で、バッタリ!だったのです。
その偶然が、結果的に白岩さんとの出会いにつながっているわけで、何か運命的なものを感じます。
「デザインのためのデザインはしない」。
一言で言うとこれが私の投資物件に対する基本スタンスです。
私は設計のプロですから建物をカッコ良くすることは最も得意とするところです。
その一方で、これをやったらカッコ良いのだけどやたらお金がかかる、あるいは雨漏り等後で必ず問題が起こる、という事例も嫌というほど見てきました。
これらの経験をふまえ、投資物件では、カッコ良くなると分かっていてもあえてやらない、つまり「デザインのためのデザインはしない」という判断も重要であると考えています。
じゃあアンタは手はかからないがダサい建物を設計するのか?
いえいえ、そんな事をしたら王道チームからは即追放です。
そこをどうすれば良いか考えるのが設計士の腕の見せ所!
皆様の期待を裏切ることのないよう、最強王道流投資物件の実現に向け日々努力を続けてまいります。
これからもどうかよろしくお願い致します。
今回は、設計チームの一翼を担ってもらっている小櫻さんです。
建築に対する豊富な経験と斬新なアイデアのみならず、謙虚でひたむきな人間性でファンが少なくありません。
3...不動産投資入門(3)〜 投資判断で何を重視するか?
- 不動産投資を始めるにあたって、ぜひ考えておきたいのは「判断基準」です。
不動産投資では、土地などの物件探し、建物の建築、ローンの交渉、客付けなど様々なステップと場面があり、どれを選ぶか、誰に頼むか、どうするかの判断が求められます。
その際、自分なりの判断基準をきちんと持っていないと、迷いますし、間違った選択をする危険もあります。
あなたなら、どういうことを重視しますか?
・ 利回りの高さ
・価格の安さ
・ コストの低さ
などでしょうか。
これからの不動産投資で重要なのは、「優良な入居者の確保」だと思います。
優良な入居者を確保できる立地。
優良な入居者を確保できる建物プラン。
優良な入居者を確保できる工事業者。
優良な入居者を確保できる客付け業者。
こういう発想で判断すると、おそらく失敗が少なくなるのではないかと思います。
逆に、目先の「安さ」「利回り」「コスト」を求めすぎると、入居者の確保がお留守になる危険があります。
新築時には入っても、次からが危ないのです。
入らないから賃料を下げる
↓
不良入居者が入る
↓
トラブルを起こす
↓
処理に時間とコストがかかる
↓
入居者がさらに減る
↓
アパート経営に嫌気がさす
こうして、すべてが悪い方へ回っていくのです。
末永く安定した賃料を確保し、不動産投資で成功するには、何より「優良な入居者の確保」こそ原点です。
そのことを肝に銘じておくことをお勧めします。
編集後記
- 先日の「オンリーワン勉強会」は野嶋弁護士のお話でした。
不動産投資にまつわる興味深い事例や具体的な注意点など、大変役に立ちました。
その中でちょっと印象に残ったのは、強制執行(家賃滞納での明け渡し)についてのこぼれ話です。
実際の強制執行は、裁判所が指定する執行官に頼んでやってもらうのですが、その費用がバカになりません。
諸々トータルで100万円ほどかかるそうです。
執行官はかなり高給取りで、しかも相撲の「年寄株」のように元裁判官などが順になっているそうです。
同じような話は、公証役場の公証人についても聞いたことがあります。
法曹界(というか法務省管轄の業界)というのは、まだまだ世間に知られていない分、閉鎖的で談合的なところがあるように感じました。
何事も、情報がオープンにされることで、より妥当な状態になっていくのかもしれません。(古井)