■□ 王道通信 □■ Vol.4
- 1月に「オンリーワン勉強会」へのお申し込みを20名以上いただきました。
ありがとうございます。
数名お断りした方がいらっしゃいましたが、これからご一緒に不動産投資の王道を極めていきましょう。
よろしくお願いします。
目次
1...専業大家の独り言 〜 なにはともあれ「現場主義」で
2...「王道チーム」リレーエッセイ 第4回 石原弘治
3...不動産投資入門(4)〜 投資指標の意味するもの
4...編集後記
1...専業大家の独り言・白岩貢
◇なにはともあれ「現場主義」で
アパート専業大家・白岩貢
- 先日、王道チームにこんな相談がありました。
「気になる土地を見つけ、自分なりのプランニングをしたのですが、建築費の妥当性が不明なために買い付けを入れるべきかどうか思案しています。
王道チームにざっくりとした建築費と採算性を見ていただけませんか」
送っていただいた資料には、土地の購入価格と入居率を何通りか変えたシミュレーションなどがあり、いろいろ研究していらっしゃることが伝わってきました。
ただ、「建築費の妥当性が不明」とあったように、建物の坪単価が45万円、また賃料が9万円で固定されているのが問題のように思われました。
建築費は、木造、RC、SRCによって単価がかなり異なりますし、戸数や間取りや設備仕様等、さまざまな条件によっても変わってきます。
最近は特に、RC造は建築費が著しく高騰しており、木造も広さによりますが坪45万円は微妙だと思います。
(あくまで50年持つきちんとした建物にする前提です)
賃料も、周辺相場が不明ですし、将来もずっとそのままでいけるかは、慎重に考える必要があります。
私の場合、現地周辺の環境や土地の売買価格、賃料相場をしっかり確認した上で、どの程度のボリュームの建物が建てられるのか、間取りや設備をどうしたらいいのかをまず考えます。
次に、そのアイデアをもとに基本的なプランを描き、建築費はどれくらいかかりそうか、王道チームの菅さんや大久保さんに聞いてみたり、付き合いのある工務店に概算見積もりを頼んだりします。
そして、トータルに見て収支が合うのかを、ざっくり確認します。
細かい数値シミュレーションは、まあ「おまけ」として、確認の意味で行うだけです。
そんなお返事をしたら、しばらくしてまたご連絡がありました。
「現地を見てきました。駅から徒歩 5〜6分の立地で、表通りから 30m程度入ったところにある土地でした。
裏手が小学校で日当たりはよいのですが、前面道路は車が1台やっと通る程度の幅。
また、この土地(借地)が比較的安いのは、地主さんがお年寄りで、ローン借入れ時の地主承諾などに印鑑を押すことを拒否されているからでした」
なんと、この方は現地へまだ行っていなかったのです。
シミュレーションだけやってみるという方法も確かにあるかと思います。
でも、何はともあれ現地へ足を運び、不動産屋や周辺の人に話を聞くことが大事かと思います。
何事も現場主義でいくのが「王道流」です。
当たり前のようですが、現地にはぜひ足を運んでくださいね!
2...「王道チーム」リレーエッセイ 第4回
- 王道チーム設計士の石原です。 よろしくお願いします。
私は、南青山にあるインテリアデザイン事務所で、飲食店を中心とした店舗デザイナーとして長年修行を重ね独立。
祖父の代から工務店を営む実家に戻り、店舗から個人住宅、集合住宅、お寺の改修に至るまで幅広い設計を行っています。
白岩さんとは、父と王道チーム・菅さんが仕事をご一緒したのが縁で知り合い、その後、白岩さんの知人が出店する飲食店の設計を担当。
そこから、王道アパートの設計もお手伝いするようになりました。
現在は主に都心部での「世田谷・目黒型」アパートを担当し、つい最近、完成見学会を行った代沢のほか、駒沢で進行中が2棟、川崎でも工事中および着工待ちが2棟あります。
とにかく、白岩さんの構想の大きさとスピードに圧倒されていますが、なるべく多くの方の相談にのれる様、奮闘中です。
私がアパート設計でいつも考えているのは、使いやすい/手間がかからないことはもちろん、5年〜10年たっても今と同じか、それ以上の価値を持ち続ける建物を生み出すことです。
そのための手法が、店舗デザインで培った『演出性をまとった建築』です。
これは、最近よくあるデザイナーズ物件のように、生活を建物に合わせるよう強いるものではありません。
個人住宅はともかく、賃貸住宅ではあまり押し付けがましいデザインはいらないと思います。
それよりも、楽しい生活場面を想像し、建築素材の選択や、外観の陰影を工夫するだけで、建物の印象は全く違ってきます。
もちろん、大家側から見ただけの利回りの良さ、手間のかからなさなどにとらわれすぎるのも問題です。
コストをなるべく抑えながら、借り手の目線で生活を想像する、そんなバランス感覚を持っていれば、きっと競争力の高い良い建物ができると思います。
今回も設計チームメンバーが登場。
石原弘治さんです。
店舗デザインの経験が長く、住居と店舗の融合的発想により、他に類を見ないアパートを設計してくれています。
3...不動産投資入門(4)〜 投資指標にはどんな意味があるのか?
- 不動産投資の解説では、いろいろな投資指標を目にすることがあります。
皆さんも次のような指標を聞いたり、見たりしたことがないでしょうか。
NOI(Net Operating Income:営業純利益)
FCR(Free and Clear Return:総収益率)
DCR(Debt Coverage Ratio:ローン返済比率)
CCR(Cash-on-Cash return:自己資金配当率)
LTV(Loan To Value:借入れ比率)
IRR(Internal Return Ratio:内部収益率)
BER(Break Even Ratio: 損益分岐比率)
DSCR(Debt Service Coverage Ratio: 借入金償還余裕率)
NPV(Net Present Value:正味現在価値)
キャップレート(Capitalization Rate:資本還元比率)
ROIC(Return on Invested Capital:投下資本利益率)
DCF法(Discount Cash Flow:ディスカウント・キャッシュ・フロー法)
などなど、
初めての人は、聞いただけでは何のことやらさっぱりわからないでしょう。
「ん、なんだ?」というのが正直な感想だと思います。
実は、こうした指標の多くは、株式や債券の投資理論として考案されたものです。
それを不動産投資に応用し、主にREIT(不動産投資信託)など多額の資金を集めて運用するファンドにおいて、社内の稟議や投資家に対する目論見書を作成する
ために使われているのです。
個人でもこうした指標を使いこなし、物件を検討したり自分の所有不動産を分析したりする人もいるようですが、果たしてその効果はどれほどのものでしょうか。
正直言って、フツーの個人投資家がアパートや賃貸マンション経営をするためにはあまり役立ちません。
頭の体操としてはよいでしょうが、それより、優良な入居者を末永く確保しやすい立地や環境はどこか、どんな建物なら供給過剰のエリアでも勝ち残れるか、どうすれば少しでも高く貸せるか、どうしたら長く借りてもらえるのか、そういうところにこそ、頭と時間を集中させるべきです。
この順番を間違えてはいけません。
「数字遊び」にうつつを抜かしているくらいなら、1件でも多く物件を見に行ったり、不動産屋を回ったりすることが大事ではないでしょうか。
編集後記
- ひと昔前、『マーフィーの法則』というのが流行りました。
「傘を買ったら雨がやむ」といったちょっと自虐的な経験則です。
私の場合、「これは売れる」「これは成功間違いなし」と力の入りすぎた企画ほど結果はハズレ、ということが結構ありました。
「みんなで何か面白いことを」「ちょっと力を抜いて鼻歌まじり」くらいのほうが物事、うまくいくような気がします。
「王道」の魅力は、そんなノリの人がどんどん集まってきているところにも現れているようです。(古井)