■□ 王道通信 □■ Vol.13
目次
1...専業大家の独り言 〜 「ビルトイン型」戸建てがついに完成
2...不動産投資入門(11)〜 借地のメリットと注意点
3...「勉強会」の会員さんより
4...編集後記
1...専業大家の独り言・白岩貢
◇「ビルトイン型」戸建てがついに完成
アパート専業大家・白岩貢
- 先日、北関東で建築中だった小櫻さん設計の「ビルトイン型」戸建てがほぼ完成したので見に行ってきました。
この物件、実は「不動産投資の王道」ホームページのトップ画面に外観イラストが載っているんです。
ぜひ、ホームページのほうも見てください。
間口はやや狭いのですが、シンプルな片流れの屋根と長方形の建物。
正面にリモコンで動くはねあげ式のシャッターがあり、中がガレージになっています。
天気の悪いときも愛車をしまっておけるのはいいいですよね。
休みの日には車を出して、DIYを楽しむのもいいですね。
玄関は建物の真ん中あたり(ガレージ部分の横がアプローチ)。
広い土間があって、ガレージとも行き来できます。
玄関を上がると、水まわりスペース。
家事動線を考え、キッチンと洗面、浴室がまとめられています。
この水まわりには、新型王道アパートにも採用する予定の高級仕様の設備をセット。
特にお風呂は1坪タイプでゆったり入れそうです。
水まわりゾーンの奥が、リビング・ダイニング。ここは吹き抜けになっていて、すごく開放的です。
しかも、ただの吹き抜けじゃなくて、階段を上がると居室へいくための回廊があって、生活がとっても楽しくなりそうです。
全体にとてもシンプルでありながら、住み手の想像力をすごくかきたてる建物に仕上がっています。
私もぜひ、こんな戸建てに住んでみたい!
勉強会の会員さん限定で今度、バス見学会を企画したところ、1日でいっぱいになってしまいました。
閑静な住宅地にあるので、大勢でドヤドヤというわけにもいかず、ご容赦ください。
でも、このパターンは今後も、あちこちでつくっていく予定ですので、楽しみにしていてください。
2...不動産投資入門(11)〜 借地のメリットと注意点
- 土地を探していると、借地を目にすることが結構あります。
借地だといろいろ難しい制約があって無理なのでは、と思う人もいるかもしれません。
でも借地は、実はアパート投資を考える場合、ひとつの有力な選択肢なのです。
借地とは、土地を利用する権利です。
そして、地には大きく分けて2つ種類あります。
ひとつは「地上権」、もうひとつは「土地賃借権」です。
「地上権」は、法律上は所有権と同じ「物権」に分類される強力な権利です。
地主の承諾がなくても自由に売買したり、又貸ししたり、あるいは建物の建て替えもできます。
地上権に抵当権を設定して融資を受けることもできます。
ただ、実際には地上権の借地は、あまり表立って売りには出ないようです。
「土地賃借権」は、法律上は「債権」の一種で、「物権」に比べると弱い権利です。
売却したり又貸しする場合、あるいは建物を建て替える際には地主の承諾が必要で、借地権価格の1割程度の承諾料を支払ったりします。 - 実際の売りもので多いのは、この土地賃借権による借地。
それも、一般に「普通借地権」といわれるものです(もうひとつ、平成4年から新しくできた定期借地権もありますが、まだ利用される例が少なく、売りものもほとんどないので省略します)。
ただ、この「普通借地権」であっても、法的にはかなり手厚く保護されています。
契約期間は最低30年以上。
更新後の契約期間は1度目が20年以上、2度目の更新以降は10年以上です。
そして何より、地主が契約更新を拒絶できるのは、地主側に「正当事由」がある場合に限られます。
この「正当事由」はかなり厳しく判断されるので、よほどのことがなければ、借地をずっと使い続けることができると考えていいでしょう。
借地のメリットですが、なんといっても価格が安い。
一概にはいえませんが、周辺の地価(所有権価格)に比べると、5〜6割程度のことが多いようです。
地主に支払う承諾料(借地人の名義変更などのために支払うもの)を入れても、かなり安く買えます。
また、地代を支払う必要がありますが、その代わり土地の固定資産税は不要です。
地代はだいたい、固定資産税にスライドさせることが多く、契約時に決めると、通常はそのまま。
収益性の高い建物を建てることができれば、むしろ有利です。
さらに、地価上昇の折でも、結構売りものがあり、しかもなかなか売れません。
借地というだけで、マイホーム用としては敬遠されがち。
借地で敷地延長ともなると、半年、1年くらい売りに出ていることも珍しくなく、その分、交渉もしやすいでしょう。
逆に、注意点としては、承諾料や地代が必要なこと。
事前にいくらか、よく確認を。
特に、古い建物付きで購入し、後からアパートに建てかえるような場合、売買の承諾料と建物建て替えの承諾料が二重に発生する可能性もあります。
あと、地主が誰か。
都市部でよくあるのは、寺院。
昔から土地をあちこちに所有していて、それを貸し出しているケースです。
お寺さんはお金にはあまり困っていないので、結構強気だったりします。
その点、個人の地主さんの方が、いろいろな面で交渉が可能かもしれません。
もうひとつ、注意しなければならないのが、ローンが基本的に使えないこと。
地上権ならまだしも、土地賃借権は抵当権が付けられません。
金融機関としては担保にとれないので、土地分(借地分)にはローンを貸してくれないのです。
ただし、金融機関によっては、建物とセットで収益力を見て、土地分(借地分)に対してもいくらか融資してくれるケースがあります。
とはいえ、所有権の土地に比べて、自己資金が多めに必要になるのは事実。
自己資金が少ない場合は、他の不動産(自宅)などを担保に入れてローンを借りる方法も考えられます。
勉強会の会員さんの中には、この方法で世田谷区内に借地(それも敷地延長)を買い、王道型アパートを建てた人がいます。立地が良いので、1室13万円近くで貸せ、しかも将来的に入居者の確保には困らないと思われます。
このように、借地は奥が深く、難しいものの妙味があります。
ぜひ、みなさんも勉強してみてください。
3...「勉強会」の会員さんより
- こんにちは、とおるです。
いよいよ、2007年度がスタートです。
多摩川では桜の花びらが漂い真っ白になっていました。
次は街中に新緑が溢れますね。
最近読んだ本で『コミュニケーション』について印象に残る言葉がありました。
- 「自分を理解してもらうためには、相手を理解する」
自分がやりたいことを達成するためには、相手方の協力が必要です。
アパート関連では、土地探しでの営業さん、資金融資での銀行さん、空室対策での仲介業者さん、そして長期満室ための入居者さん。
彼らの協力を得るためには、担当者が何を目指しているのか?
どうすれば満足するのか?
を考えたいですね。
私ではなく相手を優先できているか? について考えさせられました。 - 「相手の話を感情移入して聞く」
注意して聞く、目を見て積極的に聞くではなく、感情移入とは"相手の見地に立ち、相手の立場から物を眺め、相手の見ている世界を見て、相手の気持ちを感じとる"とのことでした。
なんだか深くて難しいですね。
でも、相手がしゃべっていることが必ずしも思っていることではないことは多々あり、その境地にたどり着けたらよいですね。 - 「相手との相違点をと尊ぶ」
これも面白い。
"もともと自分と相手は同じものではなく、意見が異なって当たり前"だそうです。
そのとき、相手を自分の思い通りにするのではなく、"違い"に気付き、妥協点を見つけるために工夫をすることを楽しめればよいですね。
- 「自分を理解してもらうためには、相手を理解する」
- 3つとも、なかなか教えてもらえるようなことではなく、とても参考になります。
これをアパート経営に応用したら、すごく楽しめそうですよね。
編集後記
- 最近、ある本で読んだ話です。
かつて1960年代、アメリカの専業主婦は郊外にある広くて美しい一戸建てに優しい夫や子供たちと住み、新しい電化製品を使いこなして面倒な家事から解放され、楽しく優雅な生活を満喫。
世界中の女性にとって、憧れの的でした。
ところが、そんな彼女たちの中に、突然わけもなく泣きたくなったり、無気力になったり、家族の顔をみるのもいやになったり、いまでいう心の病を抱える人が結構いたというのです。
研究者がインタビューした主婦は、「私はこれという悩みを持ったこともありません。
ぜも、私は絶望しているのです。
私には個性がないと思い始めたのです」なんて答えたとか。
その本によると、最近は日本でも、主婦からのこんな投書が新聞に載っているそうです。
「最近、ノイローゼ気味である。時間がひどくゆっくり流ていくことに恐怖さえ
覚える。
仕上げなければならない仕事というものがないのだ」。
う〜ん。
いつも仕上げなければならない仕事に追われ、時間があっという間になくなることに恐怖を覚えている人間には、想像もつきません。
なにごともバランスが大事。
そして、その加減が難しいんでしょうね。(古井)