自分の建物に愛着を持つことが、不動産投資の成功につながります。
菅です。
いつも会員さんのアパートの新築工事がスムーズに進むよう、サポートをさせてもらっています。また、最近はリフォームやリノベーションのご相談も受けています。
私が白岩工務所に入ったのは、35年ほど前のことです。故郷の岩手で建築専門学校を卒業し、東京で腕を磨こうと思い、ちょうど社員を募集していた白岩工務所の門をたたきました。以来、大工職人ひと筋。個人住宅を中心にこれまで手掛けた建築物は100棟を超えます。先代の白岩社長は、工事にしろ資材にしろ、全部自前主義でした。私も、解体、根切り、基礎、型枠工事、建て方はもちろん、足場、屋根葺き、家具・建具の製造まで、建築工事についてはひと通り経験を積みました。構造的にも木造、鉄筋コンクリート、重量鉄骨、2×4までこなします。大工としての経験と知識では、そうそう人後に落ちないつもりです。
仕事における私の信条は、依頼主のみなさんに、工事代金の価値以上のものを備えた建物をお渡しすることです。これは単に、高級な部材を使うとか、輸入物の設備を入れるといったことではありません。建築というのはすべて、天候に左右される屋外で、地盤の状態から高低差、道路付けの条件などひとつとして同じものはない敷地の上に、大工をはじめ多くの職人が手作業でつくりあげるものです。そのため、まったく同じ材料を使ったとしても、工事のレベルによって、出来上がりには雲泥の差がつくのです。
私に言わせれば、建築工事は“生き物”です。直接的には工事を請け負った工務店の責任ですが、多くの職人が気持ちよく、緊張感を持って質の高い作業ができるよう、私も王道のスーパーバイザーとして折に触れて現場をのぞいてアドバイスしたり、行政や周辺住民などとの調整役を務めたりしています。
アパートを建てる方もぜひ、自分の建物への愛着を持ってください。かわいいと思ってください。最初から設計士や工務店に丸投げしないでください。ぜひ、施主として考え、関わってください。土地探しやらローンの借入れやら、アパートの新築は苦労が多いですが、その分、完成したときの喜びはひとしおです。ただし、予算の限度はあるので、希望はほどほどに。思い入れは大事ですが、関係者との調和も忘れずに。
アパートの新築は、他ではそうそう味わえない貴重な体験です。ぜひ、楽しんでいただきたいと思います
<経歴>
1953年 岩手県生まれ
1971年 盛岡建築専門学校卒
白岩工務所入社
2005年 王道ホーム㈱代表取締役
<大工職人の道具>
差し金:基本中の基本。
のみ:道具箱には大きさの違う何本かがセットで入っています。昔、まだ見習いだった頃は、仕事がないのに毎日のみだけはきちんと研いでいたものです。
げんのう:金槌のことです。